支援者としての技術の一つに、「キーワードを置いていく」というものがあります。
これは、重要な論点や、気にかけてほしい話題について、キーワードを常に、繰り返し使うことで、関係者の頭の中にそのキーワードを残し、記憶させていく、ということです。そうすることで、その言葉にアンテナを立ててもらいやすくなります。
使うのは、全体を語るキーワードに絞る
このキーワードは、様々な取り組みや施策に共通するコンセプトや、大方針といった、全体を語るうえで大切なものに使うことが多いです。そういうものが何個もあると、逆に頭に残らなくなります。数を絞ることが大切です。
脳は、意識していないものをそぎ落とす
詳しいわけではありませんが、人間の脳は、必要な情報以外をそぎ落としてしまう、とよく聞きます。カラーバス効果というものも聞いたことがあります。要は、意識が向いていることは認識できるものの、意識が向いていないと、あたかも存在しないかのように、頭の中には入ってこないのです。
これを逆手に取ると、意識してほしいことは、執拗に繰り返していくことが大切になります。
逆に、一度頭に残れば、そのコンセプトキーワードを軸に、様々な展開に波及しやすくなります。合意形成や、取り組みの意義を説明するコミュニケーションコストも減っていきますし、共通言語化しやすくなると考えています。
「置いていく」というより、「刺して留めておく」
やんわりと「置いていく」と言っていますが、コンサル側の感覚としては、「キーワードを相手の頭の中に刺して留めておく」、そんなイメージです。
日々の会話でも、作成する資料でも、一貫して提示し、繰り返し提示する。常にそこに戻る。使う側も、そのくらい意識的に展開する必要があります。
コンセプトのない事業計画は、モグラたたきになる
コンセプトのない事業計画を見ることは、よくあります。どうしても、課題の整理と打ち手の一覧、という形になっている。それはそれで十分というケースもあると思いますが、どうもストーリーとして展開されていないので、あくまでモグラたたきのような印象が拭えないものも、散見されます。
組織で取り組むなら、共通言語が要る
誰か一人が行えばいい経営運営であれば、そこまで意識する必要はないのかもしれません。しかし、組織として取り組むうえでは、なんらかのキーワードといった共通言語を持つことで、一定のベクトルの統一がしやすくなります。参考にしてもらえればと思います。