若手のAI活用で、気をつけたいこと

AIの進化は本当に目覚ましくて、私自身も普段からずいぶん活用させてもらっている。

そのうえで、若手の方のAI活用について、一つ気をつけたいことがある。情報量が多くなりがちだ、ということだ。

コンサルなりたてのスタッフは、情報収集や分析がメインの仕事になる。そして、まさにこの部分は、AIに代行してもらえるようになった。しかも、人間が調べるよりずっと短時間で、大量に調べられる。ここは本当にすごい。

ただ、ここで立ち止まって考えたい。その情報を、そのままクライアントに提示するのだとしたら、若手スタッフの存在価値は、どこにあるのだろう。

今や、経験を積んだコンサルタントは、「AIを使えば一人でも仕事が回る」と言う。つまり、情報収集と分析においては、若手の必要性を感じない、ということだ。

コンサルタントは、本来、付加価値を提供するために存在するはずだ。AIが調べるのを横目で見て、プロンプトを入力して、出てきた情報をそのまま提出している——それだと、そこに介在する付加価値がない。これは仕事ではなく、ただのタスク処理になってしまう。

若手の頃から「ポジションを取れ」とよく言われた。自分なりの考え、自分なりの提案を、必ず持てということだ。

AIから出てくる情報は、そもそも情報過多だ。広範囲に、満遍なく出てくる。でも、それをそのまま渡されても、クライアントは「で、結局どうすればいいの?」となる。

コンサルの仕事には、「クリスタライズ」という言葉がある。情報を、本当に意味のあるフレーズにまで昇華させ、無駄な言葉を削ぎ落として、聞き手が納得できる形にする。うまくいけば、感動すらしてもらえる。そこを目指していたはずだ。

大量の情報に、自分なりの考えやストーリーを持ち込んで、ポジションを取る。そうすることで、情報が整理され、聞き手に納得感が生まれる。ときには、議論が生まれる。これが、価値につながる一歩なのだと思う。

情報が大量すぎる。エクセルシートが多すぎる。パワポが多すぎる。会議が長すぎる。

このあたりに思い当たるときは、ちょっと注意が必要だなと、自分でも感じている。