中小企業の支援をしていてよく目にする光景がある。
現場からは経営への不満が出る。経営は「現場がやらないからだ、前から言っているのに変わらない」と嘆く。ときには「あいつらは」「でもそんな奴は」「うまく使っていかないと」——そんな言葉も聞く。
正直、残念でならない。その構図は単に、両者ともに他責であるだけだ。
経営はチームプレーだ
本来、経営はチームプレーだ。
相互の対話の中で自己を高め合い、組織としての能力と結束が生まれる。一人ではできないことが、組織ではできるようになる。それが組織を作る意味ではないか。
やるべきことが明確で、正確に確実に実行するだけでいいなら、指示通りに動く組織で十分だ。しかし現代のビジネス環境はそうではない。何が起きるかわからない、状況がすぐに変わる、従来の当たり前が古めかしくなる——そういった環境では、一人ひとりの感度と判断力が重要になる。
有機的な疎結合のような関係が、目指すべき組織の姿かもしれない。密すぎると同質化が進み、感度が鈍る。適度な距離感を保ちながら、それでも連携できる組織だ。
反目し合っていても、解決しない
経営と現場が反目し合っている状況は、平行線をたどるだけだ。
そして忘れてはならないのは、経営責任を取るのは経営陣だということだ。「あいつはできない、やらない」と言っているだけでは、経営としての主体性がない。現場からヒーローが勝手に現れることを期待するのは、経営の怠慢ではないか。
現場が動かないのは、経営陣の問題だと自覚しない限り、何も解決しない。困るのは経営陣自身でもあるはずだ。
問題を個人の力量に矮小化してはいけない
現場が動かない理由を「スキルがない」「意識が足りない」に帰着させる経営者がいる。
しかしそれは問題の本質を個人の力量や意識に矮小化しているだけだ。そうなると「採用がよくなかった」「育成がよくなかった」「昔はどうだった」という、何の解決策にもならない話に至る。それは経営陣の無能を示すだけだ。
全員が評論家になっている組織
こういった企業では、経営陣も現場も全員が評論家になっている。
誰もがもっともらしいことを言う。しかし誰も主体的に動かない。問題の原因を語ることはできても、自ら解決しようとしない。
評論家に組織は動かせない。
経営陣が自ら動くことから始まる
では現実としてどうするか。
まず経営陣が自ら動くことだ。現場が動かないなら、動けるように経営陣が環境を作る。仕組みを変える、関わり方を変える、自ら現場に入る。主体性を持って組織を動かすのは、経営陣の役割だ。
現場が動かないことを嘆く前に、自分たちが動いているかを問い直してほしい。