経営者自身が事業計画をまとめていきたいと思う場合もあれば、金融機関から計画を提出して欲しいと言われる場合もあるかと思います
どのような内容を作成したらいいのか、いざ作成しようと思うとなかなか難しいと感じることもあると思いますので、ここで整理しておきたいと思います
事業計画とは何か
字のごとく、「事業の計画」ですから、これから先の予定や見込みとも言えますし、目標とも言えます
ただ、こうなりたいな、こうなったらいいなという目標ならば、「事業目標」ですので、
単なる願望ではなく、こうしていくという意思を込めた、実現性ある事業の見立て・見込みを示すものだと理解できますが
しかしながら、事業は外部や内部の環境や状況変化で常に動きますので、
そういう意味では、「実現性ある」事業の見立て・見込みと言ったところで、やはりビジネスには「先行き不透明」であるというのが当たり前で、事業の計画も必ずその計画通りにはならないのは当然と考えています
事業の内外環境の不透明な結果として、計画見込みに対して、変動やブレが起きるのは当然です
しかし、その未来の計画や予測をすることで、その未来の不透明さに対してのリスクとチャンス(不透明なのはプラスにも働きます)にアンテナを張れ、感度を上げられた状態で、日々事業を運営するというのは、
単純に無計画に成行き任せの状況とは違います
事業計画の策定は、不透明さに対する今後のシナリオを描くことと言ってもいいと思います
今後のシナリオとして、こうなっていく・こうなっていきたいという意思を込めた未来に対して、
具体的にどう活動して、どういう結果をもたらすのか、
その結果が見えてくるから、新たな事業展開や新たな投資などの挑戦に対して確信が見えてくる
事業計画策定に至る過程こそが、一番リスクとチャンスに対しての感度を高め、組織的な心構えを醸成し、組織を一つにする効用が得られますし、
得られるように仕立てることが何よりも重要です(そうでないと、やはり単なる資料で終わってしまいます)
上記を踏まえ、ここでダメな事業計画のパターンを紹介します
ダメなパターン
まず、事業計画になっていないダメな例をいくつかご紹介します
- 未来の事業環境や内部環境に対する見立て(どうなるのか)や願望(どうしたいのか)が見えない
単なる数字情報の羅列か、単なる活動(アクション)の積み上げになっている
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要は、見ていてワクワク感が無い(これはちょっと主観的ですが)
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未来のどこにリスクがあり、チャンスがあるのか見えない
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数字情報がなく、単なる言葉の整理に終わっている
これをやる、あれをやるとやることは記載されているが、どの程度インパクトある取り組みなのかがわからない
- 数字情報はあるが適当で根拠がない
今後◯%で成長するとか、◯%でコストが減る(◯%に合理的な理由がつけられればいいが)
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一律◯円で横引き(横引きする根拠あれば良いが)
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数字の見込みが楽観的すぎる
計画策定の目的にもよりますが、金融機関向けであれば、基本的には保守的である方がベターです
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楽観すぎて下振れが頻発すると信用に関わります
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逆に数字情報はあるが、やることが不明瞭で数字だけがある
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取り組み内容の具体性がない
取り組み内容がなんとなく整理されているだけで、具体的に誰が、いつ、どう実現していくのかが決まってない
- やることも数字もある。しかし組織的に動いていない。計画者の計画になっている
結構あります。外部コンサルが計画を作って社長が承認するとかありますが、全く意味ないです。なぜなら絶対に実行されないため
- 取り組む内容の勝負どころがわからない
多くの取り組みを盛り込みがちですが、絶対に落とせない取り組みがあるはずです。その濃淡をつけた計画であること
良い事業計画には具体的な活動・数字・魂がある
しっかりまとめ上げた事業計画には、具体性を持った取り組み内容と、数字インパクト、自ら成し遂げると言う魂のこもった、迫力すら感じます
逆にこの辺りが見えない事業計画というのは、とりあえずつくりました。という具合で、
本当に実現に向けてやり切るつもりの計画なのか疑わしいものがあり、更にはつくってお終い、実際の日々の経営運営や事業運営に活かされることなく、お蔵入りするものも多いのが実態です
それならば時間かけて作るだけ無駄で、もったいないなという印象です
事業計画はブレてもいい。ブレれば見直せばいい
防災訓練があると思います。渋滞予測を見たりもすると思います
未来に備えたり、将来を見つめるからこそ現在をより良く見つめ直せるという発想です
事業計画も同じで、これからの事業の見立てを整理して、備え、今に活かすという意味で、活かさないと意味が無いわけで、単純に資料作成だけでは意味が無いわけです
そんな中で、変化してその通りにならないから計画を作る意味がわからないという方もいますが、
未来を予測して備える意味で、ブレてもいいんです
そもそも事業計画の策定メリットは前述の通りです。策定する過程と策定して組織的に今に活かすことが重要なのですから、その精度が100%を求めることは、意味もなければそもそも現実的に不可能です
精度を上げるために何が見込みと違っていたのか?を学ぶための材料だと考えてください
事業計画はその通りならないのは当たり前。事業環境は常に動くのだから面白いわけで、
計画がブレたら見直せばいい。ただそれだけ
なお、事業再生局面で求められる、実抜計画や合抜計画など、「再生計画」の場合には、これ以上悪くならないという最下限の事業見通しを示す必要があります
これも再生計画であっても計画は計画なので絶対にブレるのですが、
ブレたとしても、これ以上は業績や資金繰りは下がらないという下限を示すことで、それでも事業として成り立ち、金融機関からみても再生計画に基づき支援していくことの経済合理性の判断のために必要となります
事業計画で記載する事項 例
絶対というものはないですが、以下は記載することが多いです
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事業環境の整理
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自社の状況の整理
財務状況
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課題認識
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これからの事業の方向性
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今後の取り組み内容
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今後の投資計画
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その結果狙う財務目標
PL
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BS
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顧客別や製品別売上などの主要な売上構造
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固変分解による収益構造
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欠損金などあれば法人税見込み
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資金繰り推移の見込み
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借入・返済計画
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取り組みへの意気込み
具体的な作成ステップはこちらを参照下さい