事業計画は必要か?

計画どおりになんていかないの分かっているのに必要?

私がまだ若い時に聞かれた問いなのですが、当時の私の頭の中には、「計画は作るのが当たり前」それが常識。

そんな程度の理解しかなかったため、この問いを頂いた際には、正直うまく答えることができませんでした。

確かに、事業計画をつくるというのは、実はかなり大変な作業を伴います。

そんな手間暇かけても、どうせ実際にはその通りにならない。ならばなぜ作成する必要があるのか?
作成しなくても良いのではないか?

そう思うのも当然だなと。改めて自分の「常識を疑う」という基本的姿勢の未熟さを感じた思い出があります。

こういう何気ない問いかけにこそ、ハッと思わせるものがありますね…

結論:事業計画は作成すべき!

あれから数年経ち、色々な支援や自らの事業の計画を立てていく中での結論は、事業計画は作成すべき。ということです。

事業計画の最大の勘違いは、計画通りでなければならないということに縛られすぎていて、計画通りにならないから不要であるという考え方です。

計画VS実績対比により、想定と違っていたという事実に向き合い、

その因果を意味あるレベルで解明することが事業の解像度を上げていく(予想できる範囲・粒度を高めていく)ことにつながります。

意味あるレベルというのは、あまりに細かい違いに拘る必要は無いということです。

要は、カチカチの固定的な計画でなくてよいわけです。

もう少し説明します

事業計画の作成により、事業の解像度を高める

事業計画とは、事業が今後どうなるのか?どうしていくのか?を定性的・定量的な情報と共に整理したもので、

具体的な活動計画であると同時に会計的な業績計画と言えます。

社内に共有すれば、社内の具体的な活動によりどういう業績結果期待するのか?の共通認識となり

社外に共有すれば、金融機関による融資等の判断材料となります(うちの会社はこうなりますよ、具体的にはこういう活動をして、こういう着地を見込みますので、安心してください!という感じ)

事業計画を作成することで、事業計画のストーリーを明確に認識することになります。

そのため、そのストーリーに沿ってないと感じたら、別の動きを仕掛けなければならないというアラートになります

このストーリーをしっかりと認識していないと、そのアラートに気づけないわけです。

もっと言えば、ストーリーをより強固にするチャンスにも気づけないわけです。

事業計画が無い場合というのは、そのストーリーが組織としての共通認識になっていないため、

このチャンスにもリスクにも感度が低い状態となります。

つまり、ものすごくギリギリの状況にならないと気づけないわけで、「その場しのぎ」的になります。

事業計画は共有されてこそ意味がある

また、事業計画があっても、社長しか知らない、役員しか知らないというのであれば、

そのストーリーが組織としての共通認識になっていないので、これもまた意味がありません。

つまり、大切なことは、事業計画を単に作成するということではなく、

”共有された”事業成長ストーリーにより、事業のチャンスとリスク感度を上げ、

先手先手でビジネスに主導権を持てる状況にすることだと考えています。

事業計画は変えていい

事業計画をコロコロ変えてはいけないという話があります

確かにコロコロと変えては共通認識にブレがおきますので、共通認識化という目的においては、コロコロと変えてしまうのは問題ですが、

ビジネスは変化の世界の話であり、変化する環境下で、事業計画が固定化されて良いわけがありません。

結論としては、事業の成長ストーリーは都度見直しされるべきであり、

頻度を気にするのは全く本質的ではないと考えます。

但し、共通認識が追い付かないという問題はありますので、共有する事業計画のバージョンは一定期間を置いたものとすればよいと思います。