量か?質か?

様々な意思決定の際に出てくる「量か質か?」問題

どちらを追うべきなのでしょうか?

結論:ゼロからならば量を、既に量があるなら質を

新規事業や新サービス展開などでまだ量を伴っていなければ、質を上げることに努力するよりも量を取るほうが重要になることが多いのではないでしょうか

質を上げることに一生懸命に時間を使っていても、どこまでいっても自己満足からは抜け出せない可能性がありますし、

量を追って外部の方からの多くのフィードバックをもらうことで、質に転化していくというサイクルを回すべきと考えます

既に量がある、つまり一定のお客様やユーザーがいる場合ですが、この場合には質の改善に注力すべきと考えます

大前提として、中小企業で量を追うビジネスは厳しい

ここで、新規事業や新サービス展開などでは量を追うべき、と記載をしましたが、

基本的に一定量がないと黒字化できないとか、目標利益に至らないとなる場合、粗利が低く、量を取る回転ビジネスのような状況になると、以下の点で厳しくなることが想定されます

  • 量を取るため、多額の広告宣伝が必要となる
  • 量を取ると、多くの仕事に対応するためにオペレーションが膨大になり、イレギュラーが発生すると複雑性が増しコストが上がる(標準化できてないと厳しい)=物量があるので固定費が多くなりがち
  • 不況で量が取れなくなると、(固定費も多いと更に)一気に赤字になりやすい

ということで、量を追うビジネスは中小企業ではかなり難易度が高い(できれば避けたい。といっても難しいのは承知の上)と考えています

量を追う先には質の向上につなげるというのが大前提

そのため、量を追うビジネスモデルではなく、量が少なくとも質で稼げるビジネスモデルを目指すのですが、

その取り組み方として、事業やサービスの初動としては量が無いことには、質の向上が難しいということです

井の中の蛙になりますし、外部のフィードバックがあって質が向上しますし、量をこなせば経験値もあがりより良いものを提供できるようになります

と、当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、思うのと実践は大いに違いまして

量が取れだすと質を上げることを忘れる…

量が取れだすと、その対応にいっぱいいっぱいになり、質に転化させていくことが後回しになります

質に転化していくには、明確に定めたフィードバックルールやプロセスを用意しておいた方がいいです

無理にでもそういう状況をつくり出しておかないと、基本的には質は上がりません

質を上げるフィードバックの仕掛けをつくること

中小企業の場合で、一人で営業から作業まで何から何まで一人で行うという方であれば、一つ一つの仕事で、

  • お客様に喜ばれた点
  • 仕事の中での難しかった点と突破した方法
  • 次の仕事で活かす点
  • 次の仕事からは止めておこうと思った点

などなど、振り返りを行い、必ず言葉にして書き留めておくことが重要と思います

書けば必ず頭にしみこみますし、同じ内容が繰り返されると、共通点が見えてきて、質の向上につながります

営業する人、つくり人、持っていく人が違う場合にも、担当者間でこうしたらもっと効率がいいとか、こういう内容をお客様に評価されるなど、相互フィードバックの仕掛けを持っておくべきです

普段そういう仕掛けが無いと、他部門への不満にも聞こえかねないため、個別というよりは会社のルールでそういうことに取り組むことを明確にしておく方がやりやすいです

部門間でのフィードバック以外に、お客様からもフィードバックを頂きたいです

各部門や担当者が、確認したい点を整理して、お客様と接点のある方を通じて、お客様からフィードバックをもらうアンケートを用意することでもよいと思います

※本来はアンケートというよりも、普段の会話や本音を聴けるタイミング(タバコタイムや酒の席など)で、それとなく聞くのが一番です(アンケートは答える側もちゃんと答えようとして変なバイアスがかかりやすい)