意外と抜け落ちている事務作業の生産性改善

生産性の向上が叫ばれますが、多くの場合、製造現場であることが多い認識で、

設備導入、治具活用、動線改善、作業改善などなど、モノづくりの現場における生産性改善が一般に連想されますが、

意外と抜け落ちるのが、パソコンなどを使った事務作業の生産性改善です

製造現場の方に生産性改善を求めることも必要ですが、求めている側の事務側の改善活動も進めるべきではないかなと感じます

基本は生産性を上げる対象を選定する!

さて、事務作業の生産性を上げるということですが、生産性を下げる要因は以下と考えています

事務作業といっても、多種多様な業務の集合体で、多品種少量対応のような状況

これらすべての生産性を上げる活動は無駄打ちですから、先ずは対象の絞り込みが重要です

ですので、簡単でいいので、以下を確認してください

「事務作業で時間がかかっている作業を3つ挙げて?」

時間だけでなく、面倒な作業や、しんどい作業は?などと置き換えて聞いてもOKです

大企業では業務調査といって、全ての業務と時間を可視化することもありますが、そんな手間かける必要ありません

要は、時間がかかる、面倒である、しんどいと思う、という作業を挙げてもらえば、厳密には違うかもしれませんが、

大概あってますし、事務の方がそう思っている仕事が効率化されたら、それはそれでハッピーですから喜んでくれます

そうしたら、次はこの問いです

「その業務は本当に要るのか?」

確かに必要なケースが多いですが、改めて確認すると、「実は不要でした」なんてことはよくあります

または、そこまではやらなくてもよいとか、頻度を下げてもいい、とか本当によくあります

もちろん、継続して対応しないといけない業務もありますので、そうしたら次はこちら

「デジタル化できないか?」

なお、この問い以前に、もっと簡素化できないか?とか頻度を下げれないか?とかありますが、

事務作業の場合には、多くの場合、紙でされているケースが多いです

読んでもらったり、内容を広める際には、紙であったほうが良いケースもありますが、

情報を集めて、加工して、整理するというものであれば(申請処理や、分析処理など)これを紙で行うのは非常に手間であったり、再利用がしにくいので、将来の発展性という意味でも、非効率です

例えば、以下のような書類が紙であったりしないでしょうか?

  • 人事・労務関係の書類(タイムカード、残業申請、休日申請 など)
  • 業務関係の書類(売変申請、商品登録申請、営業日報、作業日報 など)
  • お客様関係の書類(請求書、納品書、検収明細 など)

これ以外にも多くの紙が出回っていると思いますが、デジタル化を考えると、本当に効率化できますし、紙の削減にもつながります

忘れちゃいけない、データ整理のお作法の5Sの徹底

紙のデジタル化など、データが増えてくると、今度はデータの管理が重要になります

製造業の現場でも多くの在庫や副資材、道具類の管理を5Sといったりして現場管理をされていると思いますが、

事務現場においても5Sは重要です

整理:

紙データは場所を取りますから、データ化されていれば整理できます
データ化されたもので古い情報とそうでない情報を区別できるようにフォルダ構成を考えましょう!

整頓:

データファイルがどこに行ったのか?最新のファイルはどれか?デスクトップにファイルが適当に置かれていると探すのに時間がかかったりしてませんか? 
製造現場には定置管理がありますが、データファイルにも定置管理をすべきです

ここもやはりフォルダ構成ですね

また、ファイル名の命名基準をつくって、ファイル名で識別できるようにするなどポイントです

清掃:

机の上を綺麗にして帰るというのがありますが、開いているファイルを閉じて変えるとか、デスクトップにファイルを置かないとか、そういった清掃への意識が重要です

清潔:

データは実物として触れるわけではないので、汚れなどはつきませんが、更新頻度が多くなったり、情報を追加していくとどんどんファイル容量が重くなったり、その人しか分からない状況になったりします(手を加えすぎて)

データの清掃として、綺麗にしておく、複雑にしないという点を意識することが重要です

躾:

ついつい「まあ、いいか」となりやすい気持ちはわかります。ですが、製造現場にはそれはダメで5Sの徹底と言っているのに、事務現場は適当でいいか、とはなりません

しっかり決めたことはやり切るということが重要ですので、そういう意味での規律として徹底が重要です

事務作業の効率化で1~2人月(規模次第)の削減は可能

空いた時間で、改善活動を行うとか、やりたかったけど中々時間が作れていなかったという活動に従事できるようになります

是非、製造現場だけではなく事務現場の生産性向上も取り組んで頂ければと思います