


コラム 金利ある世界の中小企業経営

値上げ交渉/価格転嫁への取り組み方

なかなか言いにくいことではあるのですが、
中小企業の経営において、どうしても少量多品種であったり、付加価値付けが大切なテーマになりますが、これが簡単ではないことは多くの経営者が認識されていることかと思います。
しかし、一般論として
中小企業は少量多品種でないとやっていけない!
付加価値つけるため新たな独自製品や投資が必要だ!
と、言われると、そこは反論しようがないというか、そういうものだろうなと思い当たることも多いため、ついつい、盲目的にその経営の方向性を自社に当てはめて考えがちだと思います。
しかし、改めて言うと、
少量多品種は簡単ではなく、付加価値付けも簡単ではないです
まず、少量多品種は非常に厄介で、相当に段取り替え含めた生産準備、生産計画と作ったものの在庫管理、納品のための検品作業、梱包作業、必要な資材関係が膨大なとなりますし、複雑度は相当に増します
要は、それらを管理できるだけの組織的な管理能力があれば良いですが、一定を超えると、人智を超えますので、
ITやDXなどのデジタル活用が進まないと、売上増える前に、管理工数が増えるので、人が増えて、ほぼ採算悪化します
少量多品種の会社でも、結局、利益を作るのはシンプルなモノで、数が出るモノです。
そんなものがないから少量多品種なんだ!と言われますが、中量少品種に絞るために今は少量多品種を行うが、その先には自社の得意領域を見極めて、中量少品種になるように絞り込む意識や行動が非常に重要だとおもいます
また、付加価値付けも簡単ではないです。そもそも付加価値とはお客様が認識するものですから、こちらが勝手に付加価値と言い張っても、受け手次第です
受け手たるお客様が何に対して付加価値、要は価値と認識するのか?しやすいのか?の解像度を上げないと、ムダうちするだけです
中堅、大手の付加価値付けに対して対抗するのは得策ではないですし、独自の立ち位置を踏まえた付加価値が必要です
今まで見てきた中小企業様は、付加価値を作るために、大型投資が必要といい、概ねそれが負担となり、業績悪化となるケースも多いです
付加価値にもいろいろありますが、中小企業はコストが付加価値になることは、現実的には多いです
コストに頼るのはこのインフレ時代に発想転換が弱いかもしれませんが、
現実的に、低コストで提供できるだけの体制や生産ラインが既にあることが多く、
変に付加価値だ!といって、新たなことをやるよりも、優先すべきは、低コストで実現できる既存の事業の拡大です
そこに本当に全力投球したのか?
本当にもうやるべきことはないのか?
改めて問いかけて頂き、その上で付加価値付けに進むことが大切と考えます。
やるべきことやらずに、投資が先行して、失敗するケースは非常に多いです
再生できた会社というのは、多くの場合、「もったいない」を活かした会社で、
そもそも、会社が元々持っている力の解放や魅力の再発見であり、
隣の芝生が青く見えたからといって上手くいくケースは、ネットで成功事例は見ることもありますが、表にでないそれ以上の失敗事例は数多あるかと思います
今までとは違う取り組みの必要はあります。
しかし、変えるべきは、経営に対する発想や考え方からであり、なんでも飛びつけばいいというものではないと考えます
飛びついた先にも必ず悩みながら経営している中小企業があり、そことの競争はおきます
それでも飛び込む必要がある場合はありますが、まずその前に見つめ直していただければと思います