「中小企業では体力勝負は厳しい」とは言う割に…
これは多くの経営者にも納得いただけるのだと思うのですが、分かっていても、実際に体力勝負をしていますよ、と言いたくなる状況も多いです
よく言われるのが、広告宣伝費をかけてシェア確保の消耗戦を繰り広げるとか、値下げ競争を行い生き残りまでの消耗戦を繰り広げるなど、
一定の資金体力が無ければできない戦い方は中小企業にはできないということで、
そんなの当たり前だ、言われるのですが、
これらも体力勝負です。知らず知らずのうちに…
売上が取れない時、稼働が余っているときなど苦しいタイミングで
- 不況、デフレ/インフレ、為替といった自分でコントロールできない事象が解消されるのを待つ
- つまり、時期が来るまで耐え忍ぶ。体力勝負です。動物の冬眠と同じですが、冬は明けますが、不況やら為替やらはいつ明けるかなどわかりません
- 新規事業で起死回生を狙う
- 起死回生の新規事業で上手くいケースはほぼ無いというか、新規事業自体で既存事業を賄えるのにどれぐらいの時間を要するのか?これも既存事業がうみだすキャッシュ(資金体力)での体力勝負です
- そもそも新規事業は、既存事業が困ったから手をだすのではなく、未来に向けた事業として、余裕のある時にやっておかないと大概間に合わないのではないでしょうか
- なお、私の経験上で言えば、新規事業にも相応の力をかけなければならないため、既存事業が更に厳しくなるというダブルパンチで厳しくなるケースが多いです
- 稼働率確保のための安価な受注
- 気持ちはわかります。固定費を抱えていますので、限界利益が得られるならば、そこまでの値下げで仕事を取るということなので、それ自体は短期的には間違いではないです
- しかし、これが当たり前になってしまうことが危険です。基本的に限界利益を割っていなくても、営業赤字になっていることがしばしばあり、結局、全社でみれば擦り減っていきます
- ですので、稼働率確保の安価な受注を行っている場合は、体力勝負の戦い方である。という強い認識を持つべきと考えており、中長期でもそのトレンドが続くのであれば、残念ながら稼働率どうこうの前に、体制の見直しが必要になります
体力勝負をするなら、把握しておくべきこと
体力勝負は出来ないと言いつつも、実際には体力勝負をしているというケースは非常に多いです
やむなしの場合もありますし、画一的に決めるべきものではないため、状況に応じて柔軟な対応が必要ですが、
いずれにしても、
この戦い方は持続するのか?いつまで続く見込みなのか?
体力勝負になっているならば、いつまで体力は続くのか?
(いつまでなら続けられるのか?)
という視点で状況を的確に把握しておくことが重要です
体力勝負の局面は、資金繰りと合わせて確認をしておきましょう!ということですね。