事業再生支援者の心構え

常日頃から意識している心構えになります

なぜこういうことを考えるのか?

企業が抱える課題や対策に対して、「多分こうだろう」という分かった気になるという慢心を避けるためです。

経験を積むほど、多かれ少なかれ課題や対策のパターン化ができますが、時にこれが過ちを生み出す可能性があると考えており、常に初心の気持ちと目線で、向き合うことが大切なのではないかと考えています。

心構え①:支援者(コンサル)の視点ではなく、経営者の視点で考えているか?

支援者・コンサルの立場から物事や状況を捉えると、課題ばかりが目につき、それを指摘する「指導」としての関わりになりやすいです。

また、当事者としての深いリアルな気持ちが理解できずに、ちょっとしたところから「やっぱりコンサルはコンサルだよね」という感覚が生まれてきてしまいます

なによりも、「会社をより良くする」という主体は経営者にあるため、だからこそ経営者の視点で考えるという心構えが重要であると考えています

心構え②:企業の運命、働く方々の人生を左右しかねない意思決定に関与しているという自覚はあるか?

特に事業再生といった局面の場合、組織を動かす方向を間違えれば、あっというまに会社は倒産しかねない状況です。

座学や理論派コンサルの経験だけだと、どうもこの緊張感にかけると言いますか、頭でっかちに考えるとその考え方も否定しないが、今は活きるか死ぬかのギリギリの選択をしていく中で、もっと真っ先に取り組むこと、何が何でもという鬼気迫る動きが必要となることも多いです。

要は、全体を俯瞰して、逆算して、というコンサルらしい思考(もちろん超大事)が、逆に行儀良すぎて、「今を生きる」という切迫感が無くなってしまってはダメということ

薄氷の上にいるという緊張感をもった支援活動が必要という想いがあります

心構え③:精神的・体力的な厳しさを受け入れるだけの内発的動機はあるか?

心構え①、②を本気でやっていると、この心構えはよくよく持った方がいいと思うのですが、

支援者・コンサルの物理的・精神的な負担は大きいです(大きいはずです)

その負担を負うことの、個人の内発的な動機が無ければ、健全でいられないと思います

心構え④:課題設定は本当に自分の得意領域で設定していないか?

これは事業再生に限らないですが、支援者・コンサルは自分の得意領域=自分が解決方法を知っていところから逆算して課題設定をしていることが、意識・無意識問わずよくあります

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➡本当に仕組化が問題ですか??仮に仕組が無いことが問題としても、ITツールじゃなきゃダメですか?

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➡本当に伸び悩みの商品を売らないとダメですか?仮にそうだとしても広告ですか?

心構え⑤:業績数字は出るのか?(結果に拘る)

最後は、やはり数字への拘りです

やはり数字がでなければ、話にならないということですね

もちろん、数字以外にもこだわりますが、数字が出ないのでは意味がない。そういう結果を求められるということを肝に銘じるべきと考えています