


コンサル活用を考える時とは?そのメリットは?

このようなことを記載するのはなんとも恐れ多いのが本音なのですが、それでも勇気を絞って、敢えて書き出してみたいと思います。
中小中堅企業の事業再生や業績改善活動に携わる中での基本的な行動原則は「わかった気にならない」です。
頭で分かったつもりになると、経験増えると引き出しが多くなるのでその精度は上がりますが、100%なんてことはありえなく、でも60%ぐらい当たると、人間調子に乗って、100%わかると勘違いを無意識でもします。
で、判断を誤ったところが傷が深く、大変なことになるわけです。
再生というのは、瞬間瞬間が勝負であり(自戒を込めてです。リアルに)、一度の判断ミスが致命傷になりかねないわけです。
だからこそ、「分かった気にならない」という姿勢は重要と考えています。
さて、その大前提の上で、必要な能力ですが
頭で分かった気にならないと申しましたが、頭で分かることは当然重要です。
ただ、勝手に理解したつもりにならないということで、企業のこと、働く従業員のこと、事業環境のこと、取引先のこと、などなどしっかりと頭で理解することは重要です。
そして、頭だけでなく、心の理解も重要です。
そういう状況ならば、経営者はどう思うのだろうか?従業員はどういう感情になっているだろうか?
楽しい?、つらい?、不満?、吹っ切れている?などなど
心で理解することです。
まさに、自分が経営者や幹部の方や働いている方など、置き換えて考えてみたときにどういう感情が芽生えるのか?共感してみることです
ただ、感傷的になれとか、一緒に不満言い合うとか、そんな話ではなく、素直に受け入れればいいだけです。
頭と心で受け止め、受け容れるだけでいいのです。
それが支援者が当該企業に向き合う際の意識/無意識を問わず、同じ目線でみることができるようになります(同じ目線でみれることは重要ですが、同じ目線だけで語れといっているわけではないことに注意)
経営者、経営陣、部門長、従業員など色々な方の話を聞いてみると、各々見ている目線や重視している事象が異なるので、認識が異なれば解釈も異なります。
つまり、人によって言うことや、意味づけが変わるので、好意的なトーンの場合もあれば、不満なトーンもあったりします。
それらの定性的なコメントの分析力は重要です。
また、財務分析、原価分析などの数値分析も重要です。
要は、膨大な情報を分解して、共通項を見出したり、構造化してみたり、パターン認識したり、多面的、次元の上げ下げで情報を捉える能力が必要です
イメージ的には、具体化・分解し、因果関係を整理し、「要は?」という問いで、抽象化しパターン認識(一見無関係の所に関係性を見出す)ことを繰り返すことになります。
具体化・分解から、因果関係整理、抽象化したりするなかで、徐々に業績改善のヒントが見え隠れしてきます。
要は、分析から課題は見えてきます。ただ、ここでいきなり個々の課題にアプローチしてはダメです。
個々の課題やその背景に潜む根本原因を大局的な目線で見たときに、会社の本質的な問題点やそこに至る理由、個々の課題の根本原因に依存関係が見えてくるはずです。
また、その根本原因は当該企業の固有の要因があるものです。
その固有の意味づけをもって、起きている問題や取り組むべき課題を再構造化・再論理化していきます
但し、それをそのまま当該企業に伝えても理解されにくいです。当該企業における固有の意味づけをしたうえで、問題の本質をロジカルに整理しただけでは、それは伝わらないのです。
そのため、物語のようにストーリー性を持たせて理解促進をすすめます。
また、理解だけでなく行動につなげるために、取り組みのデザイン(プロジェクト設計)をします。
一定規模の組織。といっても10人以上もいれば、全員が全く同じ理解レベルにあるということは中々難しいです。
それでも、理解レベルを整えることを放棄するわけにはいきません。
ですので、事業再生への勝ち筋のストーリーと、そのための取り組みデザイン(動き方)を
強く・遠く・長く飛ばすように伝えていく必要があります
強くというのは、インパクト(衝撃)の話で、印象に残るように端的かつしっかりと伝える
遠くというのは、組織階層や拠点などどうしても関係性からきょりがあるところまで遠く伝わること
長くというのは、持続性です。インパクト(衝撃)は強くてもその場の瞬間的な強さではな不十分で、持続的に理解が残る伝達が必要です。
この時に、大切なのは、言語化の能力(もっというとメタファー)と資料作成です
言葉にすること、言葉を選ぶこと、言い換えることは本当に重要です。それで印象が変わります。
メタファーは有効です。またメタファーを使いこなせるひとは、パターン認識力にも優れている方と思います
資料作成は馬鹿にしてはいけない能力と考えています。
忙しいし、伝われば何でもいい。テキストで箇条書きで。というのも分かります。
しかし、よくよく考えてみると、記憶に残りやすいのは、文章よりも画像や動画だと思います。
テキストというか、文字の羅列は(このブログもそう)やはり理解がしにくいですし、理解できても記憶に残りにくいです
諦めずにパワポの練習もしましょうかね
なんだかんだいっても、行動できない。行動が遅い。口ではもっともらしいが…などでは支援者としては不十分でしょう。
率先垂範で、語るには行動が伴っているべきです。
経営者に対しては、24時間365日経営者であり、従業員が8時間勤務ならば、社長は3倍仕事できますね。と伝えています。
が、これは支援者も経営者目線で事業再生に向き合うべきというならば、
従業員の3倍の仕事(時間もだが、価値として)ができて当然ということになるわけで。
そういう姿勢と活力が、周りを感化させることも多くあります。
端的に〇〇力と言える良い言葉が思いつかないのですが、①~⑤全てに共通して必要となる能力として、そもそも経営も組織も提供価値も事業環境も、全て、固定化されているものはほとんどないということです。
いや、厳密には、組織の中の関係性や思考パターン、業務プロセスなどは固定化されすぎているのですが、外の正解は変動の世界ですから、相手は常に動くわけです。
考えてみれば、「強み」だって、絶対的な強みなど無く、相対的に評価されて強みと認識されるわけです
人と人との関係性(例えば信頼関係)だって個別の個人と個人の間だったら常に変化しやすいですよね。
人間の印象だって、直前に誰かに何かを言われた時、その言われた内容に引っ張られて解釈が影響することだってあるので、その人にとっての前後の文脈だって、簡単に変化するわけです。
だからこそ、個別の相対性・関係性・文脈を捉えつつも、全体としての流れ・時勢を読み、どう作用させていくのか、
もっと言えば、その相対性・関係性・文脈を上手く活用できる力は本当に重要です